租税教室の副講師役で生徒の前に立ちました

こんにちは。税理士の岡崎です。

前回のブログで租税教室を見学したご報告をしましたが、その後も何度か見学を重ね、先日ついに副講師として教壇に立たせていただく機会を得ました。

目次

副講師役になる

これまでに様々な学校の租税教室を見学してきました。

流れや先輩講師の素晴らしい授業、そして子供たちのリアルな反応を学ぶことができました。

実は、学校によって子供たちの雰囲気は少しずつ違います。先生の方をしっかりと見て、真剣に話を聞いてくれる優等生タイプの学校もあれば、先生の話の途中でも活発に質問やリアクションが飛び交う学校もあります。

おもしろい。

講師としては、話をしっかり聞きつつもリアクションを返してくれると、子供たちの理解度が伝わってきて、とてもやりがいを感じます。

そして先日、6月13日(土)に、いよいよ副講師としてデビューの日を迎えました。その日は公開授業だったため、保護者の方々も参観されていて、いつもとは違う緊張感がありました。

副講師は、発言機会こそ少ないものの、主役である講師をサポートする重要な役割です。

それでも、教壇に立つと生徒さんたちの視線が自分に集まるのが分かり、胸がドキドキ。

租税教室の内容を再現

租税教室のテーマは、以下の3つです。

  1. 税金の使われ方
  2. 税金の集め方
  3. 税金の仕組み

小学6年生を対象に、私たち税理士が「税金」についてお話しします。

普段は経営者の方々を相手に、少し難しい数字や法律の話をすることが多いですが、この日ばかりは相手が子供たち。

「税理士って知ってる?」と聞いても、なかなか馴染みがないようで、税金の専門家である私たちの仕事を知ってもらう良い機会にもなります。

私は、どうすれば子供たちが興味を持ってくれるか、そして「税金は自分たちの暮らしに欠かせない大切なものだ」と感じてもらえるかを考えながら、主講師をサポートしました。

税金の使われ方

教室は、「税金って知ってる?何が思い浮かぶ?」という身近な問いかけから始まります。

一番身近なのは、やはり消費税です。「みんながお店でノートを買うときにも、消費税を払っているんだよ」と伝えます。

そして、「では、みんなが払った税金は、どんなことに使われているんだろう?」と問いかけます。

実は、家を出て学校に着くまでの間にも、税金が使われている場所はたくさんあります。

「みんなが今いるこの学校も、使っている教科書も、全部税金でできているんだよ」とクイズ形式で進めると、子供たちは目を輝かせて聞いてくれます。

ここで、具体的な数字の登場です。「小学校の校舎を建てるのに約10億円、体育館に約2億円、プールには約1億円くらいかかるんだよ」と話すと、教室は「ええーっ!」という驚きの声に包まれました。

(この金額は少し前のものらしく、近年の物価高騰は反映されていないそうですが、それでもすごい金額ですよね)

さらに、毎日使っている教科書も、税金によって無償で配られていることを伝えます。

実際に教科書の裏側には、こう書かれています。「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、国民の税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」

児童一人あたり、一年間になんと約100万円もの税金が使われているという事実に、子供たちは自分たちの生活と税金の強い結びつきを実感し始めたようでした。

(現在は、物価高騰やICT教育のためもっと増えていると思われます)

一人あたり6年間で600万円。もし30人のクラスなら…合計1億8千万円です!

税金の集め方

次に、テーマは「税金の集め方」へ。「日本には税金って何種類くらいあると思う?」というクイズでは、「5種類!」「15種類!」といった答えが出る中、正解の「約50種類」を伝えると、再び大きな驚きが。

なぜそんなにたくさんあるのか。それは、特定の人だけが重い負担をするのではなく、みんなでなるべく「公平」に社会を支えるための工夫なのだと説明しました。

そして、この日のメインイベントが「税金300万円を公平に集めるゲーム」です。クラスを一つの国と考え、子供たちを収入の違う3つのチームに分けます。

  • Aチーム:収入700万円
  • Bチーム:収入250万円
  • Cチーム:収入50万円

この3チームから合計300万円の税金を集めるにはどうしたらいいか、チームごとに話し合ってもらいます。「単純に3チームで割って100万円ずつ集める」という案が出ると、収入が50万円しかないCチームからは「そんなの払えないよ!」と悲鳴が上がります。

かといって、「一番収入の多いAチームが全部払う」という案には、当然Aチームから不満の声が。

最終的に、それぞれの収入に応じて負担の割合を変える「累進税率」という考え方に、多くの子供たちが納得してくれたようです。

このプロセスを通じて、自分たちで悩み、議論することで得た気づきは、何よりも大きな学びになったのではないでしょうか。

税金の仕組み

最後に、こうした税金のルールは、私たちが選挙で選んだ代表者が国会で決めている、つまり「国民が決めたルール」なのだという、民主主義の基本と納税の義務についてお話しします。

「ただ払うもの」というイメージから、「自分たちの暮らしを支え、みんなで決めていくもの」という認識に変わってくらるといいですね。

まとめ

税理士の仕事は、経営者や会社が正しく税金を納めるお手伝いをすることです。

非常に有意義な一日となり、このような機会をいただけたことに心より感謝申し上げます。

実は、私は中学(理科)と高校(物理)の教員免許を持っており、大学時代には塾講師の経験もあります。約20年前の教育実習以来、久しぶりに教壇に立ち、初心に返るような気持ちでした。

40代の市役所出身税理士です。マネーフォワードクラウド公認メンバー市役所時代の経験を活かし、親身に、そして行動力をもってサポートすることが信条です。ぜひ、ご活用ください。

https://www.okazaki-zeirisi.website/service-content/

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この記事を書いた人

元・市役所職員の「ひとり税理士」。3児の父。
東京都荒川区在住、東京理科大学大学院修了。
19年間の公務員経験を経て、現在は独立・起業まもない方を中心に、完全オンラインで税務サポートを提供中。

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