【6/1】マネーフォワード法人プラン値上げと新プラン!税理士と考える経営の数字

こんにちは!税理士の岡崎です。

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さて、2025年6月に入り、クラウド型会計ソフト「マネーフォワード クラウド」の法人向けプランに関して料金改定が行なわれました。

目次

マネーフォワードクラウド法人プランの改訂と創設について

具体的には、2025年6月1日から、既存の一部の法人向けプランの料金が引き上げられ、同時に「1人法人」の方向けの新しいプランも登場しています。

この変更の詳細は、マネーフォワード社の公式発表ページで確認できます。

マネーフォワード クラウド 法人向けプラン 一部料金改定および新プラン創設のお知らせ – 2025年6月1日

このお知らせを要約すると、主なポイントは以下の通りです。

  • 既存プランの料金改定: 2025年6月1日より、法人向けの主要プランである「スモールビジネスプラン」と「ビジネスプラン」の基本料金が改定されました。具体的には以下の通りです。
    • スモールビジネスプラン:
      • 月額払い:3,980円 → 5,980円 (月額で2,000円の値上げ)
      • 年額払い:35,760円 → 53,760円 (年額で18,000円の値上げ。月額換算では約1,500円/月の値上げに相当)
    • ビジネスプラン:
      • 月額払い:5,980円 → 7,980円 (月額で2,000円の値上げ)
      • 年額払い:59,760円 → 77,760円 (年額で18,000円の値上げ。月額換算では1,500円/月の値上げに相当)
    これらの新料金は、2025年6月1日以降の新規契約や、既存契約の更新時から適用されます。
  • 「ひとり法人プラン」の新設: 従業員がおらず、実質1名で経理業務などを行う法人(いわゆる「1人社長」の会社など)を対象とした新しいプラン「ひとり法人プラン」が登場しました。利用できる機能や人数に一部制限があるものの、小規模な法人にとっては利用しやすい価格帯の選択肢が増えたと言えるでしょう。
    • 月額払い:3,980円
    • 年額払い:29,760円(月額換算2,480円)です。

多くの経営者にとって、会計ソフトは日々の経理業務に欠かせない必須のツールです。

今回の改定は、利用しているプランによっては月々の固定費に影響を与える方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に既存プランをご利用の方は、月額で2,000円、年額プランを年一括で支払っている場合は年間で18,000円の負担増となります。

このようなITツールの料金改定は、一見すると月々数千円程度の変化かもしれません。

しかし、ビジネスを取り巻くコストは、こうした小さな変化の積み重ねでもあります。

今回は、このニュースをきっかけに、日々の経営で見過ごされがちな「小さなコスト」が、実は利益に大きな影響を与えているかもしれない、というお話をしたいと思います。

知らぬ間に利益が…?キャッシュレス決済手数料のインパクト

例えば、最近多くの店舗で導入が進んでいるキャッシュレス決済。お客様にとっては便利で、お店側も現金を扱う手間が減るなどのメリットがあります。しかし、忘れてはならないのが「決済手数料」です。

ここで、具体的な数字で見てみましょう。

【ケース1:通常時】

ある商品を1,000円で販売し、その原価が800円だったとします。

この場合、現金売上であれば、利益は単純に

1,000円(売上) – 800円(原価) = 200円

となります。

では、これがキャッシュレス決済だったらどうでしょう?

仮に決済手数料が売上の3%だとすると、手数料は30円(1,000円 × 3%)かかります。

すると、利益は

1,000円(売上) – 800円(原価) – 30円(手数料) = 170円

に減ってしまいます。

現金売上の場合に比べて、利益は30円少なくなり、当初の利益200円に対して15%も減少したことになります。売上に対してわずか3%の手数料ですが、利益ベースで見るとそのインパクトはかなり大きいですよね。

【ケース2:物価高騰で、値上げした場合】

次に、最近のように物価が高騰し、商品の原価が800円から900円に上がったとします。

利益200円を確保するため、お店は頑張って販売価格を1,100円に値上げしました。

この場合、現金売上であれば、利益は

1,100円(売上) – 900円(原価) = 200円

となり、以前と同額の利益を確保できます。

しかし、キャッシュレス決済だとどうでしょうか?

決済手数料は売上に対してかかるので、今度は33円(1,100円 × 3%)となります。

すると、利益は

1,100円(売上) – 900円(原価) – 33円(手数料) = 167円

になってしまいます。

当初の利益目標200円に対して、33円少なく、16.5%も利益が減少してしまいました。

せっかく物価高に対応して値上げをしても、キャッシュレス決済の手数料負担分まで考慮して価格設定をしないと、手元に残る利益は思ったより増えない、むしろ減ってしまう可能性があるのです。

「企業努力」の裏にある細かな数字の把握

「物価高の影響による利益確保はすごい企業努力に成り立っている」と、経営者の方々は日々実感されていることと思います。

仕入れ価格の上昇、光熱費の高騰、そして今回のマネーフォワードのようなサブスクリプションサービスの値上げなど、事業を取り巻くコストはじわじわと上昇しています。

売上を上げることはもちろん重要ですが、同時に、こうした細かなコストの一つひとつが利益にどう影響しているのかを正確に把握し、管理していくことが、ますます重要になっています。

キャッシュレス決済の手数料も、会計ソフトの月額料金も、一つひとつは小さな金額に見えるかもしれません。しかし、それらが積み重なり、利益を圧迫していくのです。

「なんとなく売上は上がっているはずなのに、なぜか資金繰りが苦しい…」

そんな状況に陥らないためには、日頃から自社の費用構造をしっかりと見つめ直し、価格戦略やコスト削減策を練ることが不可欠です。

まとめ:小さな気づきを経営の力に

今回のマネーフォワードの料金改定や、キャッシュレス決済手数料の例は、私たち経営者にとって、改めて自社の財務状況を見直す良い機会かもしれません。

  • 「うちの会社では、どんなコストがどれくらいかかっているだろうか?」
  • 「このコストは、本当に今の事業に必要なものだろうか?」
  • 「手数料を考慮した上で、適切な価格設定になっているだろうか?」

こういった細かい数字と向き合い、一つひとつの意味を理解していくことが、知らず知らずのうちに経営が苦しくなるのを防ぐ第一歩です。

そして、その小さな気づきを経営判断に活かしていくことで、厳しい環境の中でも利益を確保し、事業を成長させていく力になります。

岡崎友彦税理士事務所は、月々の会計処理や税務申告のお手伝いはもちろんのこと、このような日々の経営における「小さな気づき」を経営者の皆様と共有し、数字の面からもしっかりと事業をサポートして参ります。

お読みいただきありがとうございました。

40代の市役所出身税理士です。マネーフォワードクラウド公認メンバー。

市役所時代の経験に、親身にそして行動力をもってサポートすることが信条です。

ぜひ、ご活用ください。

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この記事を書いた人

元・市役所職員の「ひとり税理士」。3児の父。
東京都荒川区在住、東京理科大学大学院修了。
19年間の公務員経験を経て、現在は独立・起業まもない方を中心に、完全オンラインで税務サポートを提供中。

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