【税理士が解説】小規模企業共済・倒産防止共済の補助金(東京都23区)を比較した!

以前の記事で、個人事業主や小規模企業の経営者の皆様にとって、オススメ節税を紹介しました。

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れらの制度には、以下のメリットがあります

事業の安心を築くための第一歩と言えます。

しかし、これらの制度に加入する際、

さらにお得な方法があることをご存知でしょうか?

実は、自治体によって、掛金の一部を補助してくれる制度が存在するのです。

これは、節税メリットに加えて、自治体からも直接的な金銭支援を受けられます。

回は、ご質問の多い

  • 小規模企業共済 東京都の補助金は?
  • 倒産防止共済 東京都の補助金は?

この記事では、これらの疑問が解決できます。

東京都荒川区(私の税理士事務所所在地)の制度や東京都23区でどのような補助金制度があるのかを調べました。

ご自身の区にあるか見比べながら読み進めてみてください。

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目次

経営のセーフティネットとなる3つの共済制度(おさらい)

3つの主要な共済制度について、簡単におさらい

これらは国が運営する、中小企業経営におけるセーフティネットです。

  1. 小規模企業共済
    • 経営者や役員のための「退職金制度」
    • 事業を廃止した際や役員を退職した際に、共済金を受け取れます。
    • 毎月の掛金は全額所得控除の対象となります。
    • 節税効果が非常に高いのが特徴です。
    • 万が一の際は、借入も出来ます。
  2. 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
    • 取引先が倒産した際の「連鎖倒産を防ぐ」ための制度。
    • 万が一、売掛金などが回収困難になった場合に借入。
    • 無担保・無保証人で掛金の最大10倍(上限8,000万円)まで借入れができます。
    • 掛金は損金または必要経費に算入可能です。
    • また自己都合の借入もできます。
  3. 中小企業退職金共済(中退共)
    • 中小企業が自社で退職金制度を設けるための「従業員向けの退職金制度」
    • 事業主が掛金を納付し、経費処理します。
    • 従業員が退職した際に、機構から直接退職金が支払われます。
    • 従業員の福利厚生を充実させ、人材定着を図ります。
中小機構案内パンフレット
中小企業退職金共済制度パンフレット

れらの制度は、それぞれ事業継続に不可欠な3つの側面を支えてくれます。

  • 経営者の資産形成
  • 取引リスクへの備え
  • 従業員の安心

そして、自治体による補助金は、これらの重要な制度への加入ハードルを大きく下げてくれます

補助金の仕組み

補助金の流れを説明します。

基本的には「後払い」の仕組みだと理解しておくとスムーズです。

具体的なステップは以下の通りです。

  1. 役所に申請
    • まず、事業所のある区の役所へ補助金の利用を申請します。
  2. 共済制度に加入・掛金支払い
    • 共済制度に加入し、ご自身で掛金を支払います。
  3. 補助金請求(実績報告)
    • 一定期間の掛金を支払った後、その実績を役所に報告し、補助金を請求します。
  4. 入金
    • 役所の審査後、指定した口座に補助金が振り込まれます。

先に自分で費用を支払い、後からその一部が戻ってくる、という流れがポイントです。

あなたの区は?東京23区の共済加入補助金一覧

基本的な補助金の

それでは、東京都23区の共済加入補助金について見ていきましょう。

まずは、

東京都で調べました。

⇛結果、東京都にはそのような制度はありませんでした。

次は特別区23区で調べます。

  • 小規模企業共済
  • 中小企業倒産防止共済
  • 中小企業退職金共済

3制度について、各区が独自の補助金(助成金)を用意しているかを調査しました。

その結果が、こちらの比較表です。

区名小規模企業共済
補助
中小企業倒産防止共済
補助
中小企業退職金共済
補助
荒川区あり
(掛金の1/2、月上限1万円、6ヶ月間)
あり
(掛金の1/2、月上限2万円、6ヶ月間)
あり
(掛金の1/2、従業員1名上限2万円、12ヶ月間)
中央区なしあり
(掛金の1/3、月上限2万円、6ヶ月間)
なし
葛飾区なしなしあり
(掛金の1/3、年間上限50万円、24ヶ月間)
千代田区なしなしなし
港区なしなしなし
新宿区なしなしなし
渋谷区なしなしなし
品川区なしなしなし
文京区なしなしなし
台東区なしなしなし
墨田区なしなしなし
江東区なしなしなし
目黒区なしなしなし
大田区なしなしなし
世田谷区なしなしなし
中野区なしなしなし
杉並区なしなしなし
豊島区なしなしなし
北区なしなしなし
板橋区なしなしなし
練馬区なしなしなし
足立区なしなしなし
江戸川区なしなしなし

注:2025年10月時点の調査結果です。制度が変更・新設される可能性もあるため、詳細は各区の公式サイトをご確認ください。

いかがでしょうか。

調査の結果、

国の共済制度に対する掛金補助は、決してどの区でも当たり前に提供されているわけではない

という事実。

むしろ、これらを提供している区は非常に少数派、

希少価値の高い支援策であることがわかります。

特に手厚い支援を提供しているのは、以下の3区です。

  • 荒川区
  • 中央区
    • 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)に特化した補助があります。
    • 加入後6ヶ月間の掛金の3分の1(月額上限2万円)を補助
    • 取引リスクへの備えを重視する企業にとっては非常に魅力的です。
    • 中央区経営セーフティ共済加入補助金
  • 葛飾区
    • 中小企業退職金共済(中退共)への補助が非常に手厚いのが特徴です。
    • 新規加入後、支払った掛金の3分の1を、なんと24ヶ月間にわたって補助
    • 年間補助上限も50万円と高く、従業員の福利厚生と人材定着を長期的に支援する姿勢が明確です 。
    • 葛飾区中小企業退職金共済掛金補助制度

一方で、新宿区、港区、渋谷区といった主要なビジネス中心地を含む他の多くの区では、これらの共済制度への直接的な掛金補助制度は確認できませんでした。

共済制度自体は全国どこにいても加入できます。

区独自の「上乗せ支援」があるかないかは、特に創業期や小規模事業者にとって、キャッシュフローに直接影響する大きな違いとなります!

荒川区にはホームページ作成補助金も

荒川区にはさらにホームページ作成補助金もあります

https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a021/jigyousha/jigyouunei/hpsakusei.html
荒川区公式サイト

この制度は自社や商品をPRするホームページ作成を支援します。 区内に本社を持つ中小企業者などが対象です。

税金を滞納していないことなどが条件になります。

補助の対象はホームページの制作委託費です。

スマートフォン対応のサイトである必要があります。

補助率は制作委託費の3分の2以内です。

補助の上限額は20万円となっています。

自主制作やサーバー代などは対象外となるので注意。

契約前に申請が必要な点も覚えておきましょう。

このようなデジタル化支援も、荒川区の魅力と言えます。   

まとめ:荒川区は、経営の安定を支えるサポートが手厚い街

ここまで見てきたように、同じ東京都23区内でも、中小企業や個人事業主に対する支援策には驚くほど大きな違いがあります。

「小規模企業共済」や、いざという時の備えとなる「倒産防止共済」への加入を検討されている方にとって、掛金の一部を補助してくれる制度は、節税メリットに加えて直接的なコスト削減に繋がる、非常にありがたいサポートです。

そして、

税理士 岡﨑

私の事務所がある東京都荒川区は、
トップクラスの手厚い支援体制を誇っています。

3つの主要な共済制度すべてに補助金を用意しているというのは、23区の中でも突出しており、

区が中小企業の「守り」の部分、つまり長期的な経営の安定とリスクへの備えをいかに重視しているかの表れです。

もしあなたが、これから事業を始める、あるいは事業の安定化を図りたいと考えているのであれば、

荒川区で事業を始めてみませんか?

当事務所では、こうした補助金の活用はもちろん、皆様の事業フェーズに合わせた最適な節税対策や資金繰りのご相談も承っております。どうぞお気軽にお声がけください。

葛飾区公式サイト
葛飾区中小企業退職金共済掛金補助制度のご案内|葛飾区公式サイト 中小企業退職金共済(中退共)制度に新規加入した事業主の申請に基づき、区が経費の一部を助成します。
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この記事を書いた人

元・市役所職員の「ひとり税理士」。3児の父。
東京都荒川区在住、東京理科大学大学院修了。
19年間の公務員経験を経て、現在は独立・起業まもない方を中心に、完全オンラインで税務サポートを提供中。

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