書面添付制度とは

荒川区の税理士、岡崎友彦です。
相続税の申告書には、税理士が「どの資料を、どう確認して作ったか」を書いた書面を添えることができます。これが書面添付制度です。
当事務所は相続税の申告で書面添付制度に対応しています。このページでは、制度のしくみと、申告する方にとって何が変わるかを図解で説明します。

書面添付制度のしくみ(図解)

書面添付制度は、税理士法の2つの条文でできています。

条文内容
税理士法第33条の2税理士が、申告書の作成にあたって計算・整理・相談した事項を書面にまとめ、申告書に添付できる
税理士法第35条添付書面のある申告について税務調査をしようとするときは、調査の事前通知の前に、税理士に意見を述べる機会を与える
書面添付制度(税理士法33条の2)のしくみ 税理士が「どう確認して申告書を作ったか」を書面にして、申告書に添えて提出します 書面添付 なし 書面添付 あり 申告書を提出 相続税の申告 税務署に疑問点 「この預金の動きは?」 ご自宅へ税務調査 相続人が立ち会い、1〜2日かけて質問に答える 申告書+書面 確認した資料・ 判断の理由を記載 税理士への意見聴取 調査の前に、税務署が 税理士に質問・確認 疑問が解消すれば調査は省略 相続人への調査なしで終わることがあります 解消しない場合も、論点が絞られた調査になります ※意見聴取で疑問が解消した場合、調査に移行しないことがあります(調査の省略を保証するものではありません)
書面添付あり・なしの違い

書面添付がない申告では、税務署に疑問点があると、相続人の方のご自宅などへの税務調査になります。
書面添付がある申告では、調査の前に税務署が税理士に質問します(意見聴取)。ここで疑問が解消すれば、調査に移らずに終わることがあります。

書面添付があると何が変わるか

  1. 調査の前に、税理士が説明する機会がある
    税務署からの連絡は、まず税理士に来ます。相続人の方が最初に対応することはありません。
  2. 疑問が解消すれば、調査が省略されることがある
    意見聴取で税務署の疑問点に答え、納得が得られれば、調査に移行しないことがあります。
  3. 調査になっても、論点が絞られる
    意見聴取で論点が整理されるため、調査が長引きにくくなります。
  4. 申告の中身が、第三者に伝わる形で残る
    「何を確認したか」が書面に残るため、相続人どうしの説明にも使えます。
申告のあと、何が起きるか(書面添付がある場合) 税務署からの連絡は、まず税理士に来ます。相続人の方が最初に対応することはありません 1 相続の発生 財産の確認・評価 2 申告書+添付書面を提出 相続開始から10か月以内 税理士が作成 3 税務署が内容を検討 添付書面も読んで判断 4 税理士への意見聴取 調査の事前通知より前に実施 税理士が対応 5 結果 A 疑問が解消 税務調査は省略されることがあります 相続人の方への調査なしで終了 ※省略を保証するものではありません B 疑問が残る 通常どおり税務調査 意見聴取で論点が整理されているため 調査の範囲が絞られ、長引きにくい 税理士法第33条の2(添付書面)・第35条(意見聴取)。無予告の調査など、事前通知がない調査には意見聴取の手続きがありません
申告のあとの流れ。税務署への対応は税理士が行います

注意点

  • 調査の省略を約束する制度ではありません。意見聴取で疑問が解消しなければ、通常どおり調査が行われます
  • 書面に書けるのは、税理士が実際に確認した事項だけです。確認していないことは書けません(虚偽の記載は税理士の懲戒処分の対象です)
  • 無予告の調査など、事前通知がない調査には意見聴取の手続きがありません

書面に何を書くか

添付書面には、国税庁の定める様式に沿って次のことを書きます。

項目相続税の申告での例
確認した資料戸籍、遺産分割協議書、預金の残高証明と過去の入出金、不動産の登記事項証明書・固定資産税の評価証明、生命保険の支払通知、借入金の残高証明 など
計算・整理した事項土地の評価(路線価・補正)、小規模宅地等の特例の適用判断、生前贈与(3年〜7年以内)の加算、名義預金の有無の確認
相談に応じた事項分け方による税額の違い、配偶者の税額軽減の使い方、納税資金の準備
税理士の所見疑問点になりやすい論点(預金の動き、名義財産など)について、どう確認し、どう判断したか

税務署が知りたいのは「この申告は、誰が、何を、どこまで確認して作ったのか」です。それを先回りして書いておくのが書面添付です。

当事務所の相続税申告での取り組み

  • 相続税の申告では、書面添付制度に対応します。作成費用は相続税申告の料金に含み、追加料金はいただきません
  • 申告書の作成と並行して、預金の過去の動き、不動産の評価、名義財産の有無など、税務署が疑問を持ちやすい点を先に確認します
  • 確認の過程と判断の理由を書面にまとめ、申告書に添えて提出します
  • 税務署から意見聴取の連絡があった場合は、税理士が対応します。相続人の方には内容を共有します
  • 代表の岡崎は、市役所の税務職員として固定資産税や納税相談に携わった経験があります。不動産の多い相続や納税資金のご相談もお受けします

法人税・所得税の申告でも、ご希望があれば書面添付に対応します。顧問契約の方はご相談ください。

書面添付制度についてよくある質問

Q. 書面添付をすれば、税務調査は来なくなりますか?

A. 来なくなるとは言えません。調査の前に税理士への意見聴取があり、そこで疑問が解消すれば調査が省略されることがある、という制度です。疑問が残れば、通常どおり調査が行われます。

Q. 書面添付の費用はいくらですか?

A. 当事務所では、相続税申告の料金に含めています。追加料金はありません。相続税申告の料金は、財産の内容と規模をうかがったうえで、着手前にお見積りします(お見積りのご相談は無料です)。

Q. 相続が起きる前(生前対策)でも関係がありますか?

A. 書面添付は申告書に添えるものなので、相続が起きたあとの申告で使います。ただし、生前に財産の整理や名義の確認を進めておくと、申告時に「確認済みの事項」として書面に書ける内容が増え、疑問点の少ない申告につながります。

まとめ・ご相談

  • 書面添付制度は、税理士が「どう確認して申告書を作ったか」を書面で示す制度(税理士法33条の2・35条)
  • 税務署の疑問は、調査の前に税理士への意見聴取で確認される。解消すれば調査が省略されることがある
  • 当事務所は相続税の申告で書面添付に対応。費用は申告料金に含む

相続税の申告や生前対策のご相談は、お問い合わせフォームからご連絡ください。初回のご相談(お見積り)は無料です。

参考:税理士法第33条の2・第35条、国税庁「税理士法第33条の2に規定する添付書面に関する事務運営指針」