荒川区の税理士、岡崎友彦です。
以前当ブログでも「マネーフォワード クラウド」の法人プラン改定について取り上げましたが、2026年9月24日、マネーフォワード社より「料金体系の一部改定」が公式に発表されました。
今回の改定は、「2026年12月1日(個人事業主向け)」と「2027年6月1日(法人向け)」の2段階に分かれて実施されます。
日々の記帳や請求書発行に欠かせないクラウド会計ですが、サブスクリプションの固定費が上がると利益に直結します。
今回は、具体的にどのプランがいくら値上げされるのか、またどのような機能拡充があるのかを整理し、経営者・個人事業主の皆様が今すぐ検討すべき対策をお伝えします。

今回の改定スケジュールと全体像
今回の改定は、対象によって実施時期が半年ほどずれています。
| 改定日 | 対象 | 主な改定内容 |
| 2026年12月1日(火) | 個人事業主向け | ・基本料金の改定 ・「パーソナル」「パーソナルプラス」のAI-OCRオプション料金廃止(無制限化) |
| 2027年6月1日(火) | 法人向け | ・基本料金の改定 ・「ビジネスプラン」のAI-OCRオプション料金廃止(無制限化) |
改定の背景として、安定的なシステム開発体制の維持や機能強化、サポート品質の向上などが挙げられています。
【2026年12月1日〜】個人事業主向けプランの改定内容
まずは、今年の冬(2026年12月)から適用される個人事業主向けプランの変更点です。
基本料金の改定一覧(個人事業主)
| プラン名 | 支払い方法 | 改定前 | 改定後(2026年12月1日〜) | 差額 |
| パーソナルミニアプリ | 月払い | 1,500円(税込) | 1,880円(税込) | +380円/月 |
| パーソナルミニ | 月払い 年払い | 1,280円 10,800円 | 1,680円 10,800円(据え置き) | +400円/月 なし |
| パーソナル | 月払い 年払い | 1,680円 15,360円 | 2,880円 22,560円 | +1,200円/月 +7,200円/年 |
| パーソナルプラス | 年払いのみ | 35,760円 | 38,160円 | +2,400円/年 |
※パーソナルミニアプリ以外は税抜表記です。
注目ポイント
- パーソナルプラン(月払い・年払い)の値上げ幅が大きい:確定申告で最も広く使われている「パーソナルプラン」は、月払いが約1.7倍(1,680円→2,880円)に引き上げられます。
- パーソナルミニの「年払い」は据え置き:請求書や経費精算などをあまり使わず、シンプルな記帳のみを行っている方向けの「パーソナルミニ(年払い 10,800円)」は据え置きとなっています。
【2027年6月1日〜】法人向けプランの改定内容
続いて、来年(2027年6月)に実施される法人向けプランの変更点です。
基本料金の改定一覧(法人)
| プラン名 | 支払い方法 | 改定前(税抜) | 改定後(2027年6月1日〜・税抜) | 差額 |
| ひとり法人 | 月払い 年払い | 3,980円 29,760円 | 3,980円(据え置き) 35,760円 | なし +6,000円/年 |
| スモールビジネス | 月払い 年払い | 5,980円 53,760円 | 6,980円 64,560円 | +1,000円/月 +10,800円/年 |
| ビジネス | 月払い 年払い | 7,980円 77,760円 | 8,980円 83,760円 | +1,000円/月 +6,000円/年 |
注目ポイント
- 「ひとり法人プラン」の月払いは据え置き:社長1人の小規模法人に配慮し、月払い(3,980円)は価格が維持されます。ただし、年払いは月額換算で2,480円/月から2,980円/月へ改定されます。
- スモールビジネス・ビジネスは一律月額1,000円アップ:従業員を抱える法人の主力プランは、月額で1,000円、年払いで6,000円〜10,800円の値上げとなります。
上位プランでは「AI-OCR入力」が実質無料・無制限に!
今回の発表は値上げばかりではありません。上位プランにおいて、これまで従量課金だった「AI-OCRから入力」のオプション料金が完全撤廃されます。
- パーソナルプラン(2026年12月1日〜):
- 31件目以降(1件あたり20円)の追加料金が撤廃
- ➡ 完全無料・無制限
- パーソナルプラスプラン(2026年12月1日〜):
- 101件目以降(1件あたり20円)の追加料金が撤廃
- ➡ 完全無料・無制限
- ビジネスプラン(2027年6月1日〜):
- 101件目以降(1件あたり20円)の追加料金が撤廃
- ➡ 完全無料・無制限
毎月大量のレシートや請求書をカメラ・スキャナで読み取って自動データ化している事業者にとっては、オプション料金が浮くため、値上げ分を相殺できる(あるいは実質的な値下げになる)可能性があります。
事業者が今すぐできる3つの実践的対策
固定費の上昇を最小限に抑え、利益を守るために、以下の3つのステップを検討してください。
① 改定前に「年払い」で契約・更新し、値上げを先送りする
すでに契約中の方に対して新料金が適用されるのは、「改定日以降に迎える最初の更新日」からです。
例えば、個人事業主の方が2026年11月中に年払いで契約・更新した場合、旧料金のまま1年間利用でき、新料金が適用されるのは2027年11月になります。
月払いで契約している方は、改定日(個人は11月末、法人は翌年5月末)までに「年払い」へ切り替えることで、実質的な値上げ時期を最大1年間先送りできます。
② 自社に合った「プランのダウンサイジング」を検討する
- 個人事業主で機能を持て余している場合:年払い料金が据え置かれた「パーソナルミニプラン(年額10,800円)」で運用できないか確認する。
- 従業員がいない小規模法人の場合:スモールビジネスプランから「ひとり法人プラン」へ切り替えられないか検討する。
③ 追加されたAI機能や連携機能を「使い倒す」
料金が上がる以上、それに見合うだけの「業務時間短縮」を実現しなければ損をしてしまいます。
AI-OCRによる証憑読み取りをフル活用したり、銀行口座・クレジットカード連携を徹底して手入力をゼロに近づけたりすることで、浮いた時間を本業の売上作りに充てることが大切です。
まとめ:小さなコストの変動を、自社の「筋肉質な経営」への契機に
月額1,000円〜2,000円の値上げは、一見すると小さな変化に見えるかもしれません。しかし、こうしたサブスクリプション費用や決済手数料などの細かなコストが積み重なることで、会社の営業利益は確実に削られていきます。
「気づかないうちに固定費が膨らんで利益を圧迫していないか?」
「利用しているITツールを最大限に業務効率化へ活かせているか?」
今回の料金改定を単なるコスト増として捉えるのではなく、自社の固定費構造と業務フローを見直す良い機会にしていただければと思います。
当事務所では、マネーフォワード クラウドを活用した効率的な経理体制の構築や、プラン選定のアドバイスを行っております。
日々の業務効率化や固定費の見直しについて気になることがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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