荒川区の税理士、岡崎友彦です。
政府は防衛力強化の財源を確保するための措置を決定しました。
法人税に対して新たな付加税が創設されます。
ニュース番組で増税の話題が取り上げられています。
経営者の皆様は将来の税負担に不安を抱えています。
本日は法人の経営者に直結する防衛特別法人税を解説します。
対象となる法人と免除される法人の違いを明確にします。
防衛特別法人税とは
この税制は防衛力の抜本的強化に必要な財源を確保する措置です。
各事業年度の基準法人税額に対して4%の税率を上乗せします。
法人の利益の金額ではなく計算された法人税額に対して課税されます。
既存の地方法人税と同様の付加税方式を採用しています。
国税である法人税のみが対象となります。
地方税である法人住民税や法人事業税への上乗せはありません。
消費税の計算方法への変更や税率の引き上げもありません。
複雑な税務処理を回避するための措置です。
いつから?
2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
3月決算法人であれば2027年3月期の決算から対象となります。
明日から急に税金が増えるわけではありません。
経営計画の策定においてこの内容を事前に織り込む必要があります。
設備投資や人材採用の計画への影響を検討してください。
決算月を待たずに業績予測を行うことが不可欠です。
施行前に自社の税負担をシミュレーションしてください。
誰が対象?
すべての法人が対象になるわけではありません。
この制度には中小企業に配慮した年500万円の基礎控除があります。
付加税の計算基準となる法人税額から500万円を差し引きます。
計算上の法人税額が500万円以下であれば付加税は発生しません。
日本の法人の大部分はこの枠に収まり対象外となります。
資金力のある大企業が中心となって負担を背負う設計です。
スモールビジネスを保護するための配慮措置と言えます。
防衛費はいくら
法人税額が500万円を超えるケースを計算します。
中小企業の法人税率は年間800万円以下の部分が15%です。
800万円を超える部分の税率は23.2%です。
法人税額が500万円に達するには約2400万円の利益が必要です。
年間の利益が2400万円を下回る法人の負担額はゼロです。
2400万円を超える利益を出す法人のみが負担を背負います。
年間の利益が3000万円の法人を想定します。
800万円以下の部分の法人税額は120万円になります。
残りの2200万円の部分の法人税額は510万円になります。
合計の法人税額は630万円と計算されます。
ここから500万円の基礎控除を差し引きます。
付加税の対象となる金額は130万円になります。
この130万円に4%の税率を掛け合わせます。
新たな負担額は5万2千円にとどまります。
利益3000万円の法人でもこの程度の負担額です。
中小企業はどうすればいいのか
税額がゼロの場合でも原則として申告書の提出は必要です。
申告が漏れると加算税や延滞税の対象になります。
自社には関係ないと判断するのは危険です。
不動産の売却や受注増で基準法人税額が500万円を超えるケースがあります。
過去の赤字が解消して課税所得が急増する事態も想定されます。
決算を待たずに顧問税理士と税額の見込み試算を行ってください。
使用中の会計ソフトが新税制に対応しているかの確認も必須です。
中間申告や予定納税のスケジュールへの影響も把握してください。
例外や特例はある?
青色申告法人の特権である繰越欠損金の制度を活用できます。
過去の赤字と当期の黒字を相殺して利益を圧縮します。
利益を抑えることで法人税額を500万円以下に調整可能です。
設備投資にともなう特別償却の制度も併用できます。
減価償却費を計上して利益を先送りする手法です。
個人の所得税の付加税も特例で相殺されます。
所得税額に対し1%の付加税が上乗せされます。
その代わり復興特別所得税の税率を1%引き下げます。
制度の仕組み上、個人の税負担の総額は変わりません。
まとめ
防衛特別法人税は計算された法人税額に対して上乗せされます。
基準となる法人税額には500万円の基礎控除が存在します。
税負担が発生しなくてもゼロ申告の対応が求められます。
利益が2400万円以下の法人に税負担は発生しません。
自社の利益水準を把握して将来の懸念を払拭してください。
シミュレーションにより正確な税負担を予測できます。
税制を理解して手元の現金を残す戦略を立ててください。
経営判断に必要な資金繰りのご相談は当事務所へお声がけください。
南千住駅のデニーズでの作戦会議でお待ちしています。

コメント